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手荒れ(手湿疹・主婦湿疹)

手荒れ
(手湿疹・主婦湿疹)とは?

手荒れ(手湿疹・主婦湿疹)とは?手荒れとは、手のひらや手指、手首に生じる赤みやかゆみ、水疱、ひび割れなどの症状の総称です。手湿疹や主婦湿疹と呼ばれることもあります。家事や仕事柄(飲食店や美容院、介護施設、病院など)、洗剤を使って手を洗う頻度が多い方によく見られます。
また、コロナの影響でアルコール消毒をする機会が多くなりましたが、手の水分がアルコールとともに気化するために乾燥状態になりやすく、何度も消毒すると手荒れに繋がります。手荒れが起きている部分にアルコールが付着することで悪化するケースも多いです。手荒れは悪化すると傷が深くなり、細菌感染のリスクも高まります。
なお、カンジダや水虫によって症状が起きている可能性もあるので、可能性がある場合は顕微鏡による真菌検査を実施します。治療では、赤みやかゆみが強い場合はステロイド外用薬を使用します。普段から手を洗うことが多い方は保湿剤も使用しましょう。

手荒れ(手湿疹・主婦湿疹)の症状

手湿疹は、赤みのある小さなブツブツやかゆみなどの症状が現れるものです。
2つのタイプに大別され、カサカサして乾燥するタイプと、水疱などが見られるジュクジュクしたタイプです。乾燥するタイプでは患部の皮膚が剥がれ落ち、より硬くなってひび割れを起こし、指紋が徐々に見えにくくなります。
症状は利き手の親指や人差し指、中指の先端から起こり、そのままにしていると他の指や手のひら全体にまで症状が拡大し、最終的には手の甲にまで湿疹が起こります。
再発しやすい特徴があり、悪化すると化膿することがあるので、早めに治療しましょう。

手荒れ(手湿疹・主婦湿疹)の原因

通常、皮膚は皮脂膜という膜が覆っており、外的刺激から皮膚を保護しています。しかし、手のひらには皮脂を皮脂腺が存在していないため、皮膚表層の厚い角質層が代わりに守っています。
普段からよく水仕事をしている方や、様々な摩擦や刺激を受けてしまうと、角質層のバリア機能が落ちてしまいます。それによって、乾燥してかゆみが起こり、悪化するとひび割れや炎症に繋がります。

手湿疹と間違えられやすい疾患

手に起こる皮膚疾患はすべて手湿疹とイメージされることが多いですが、同様の症状を起こす疾患は他にもあります。疾患によって治療法も当然ながら変わるため、鑑別が重要です。以下ではよく間違われる疾患について説明します。

汗疱(かんぽう)

手のひらにかゆみを伴う1~2mm程の水ぶくれが現れ、時間が経つと皮が剥がれます。症状は数ヶ月以内に自然治癒しますが、多くの場合、年に数回再発します。

異汗性湿疹

手湿疹と同義語として扱われることもありますが、汗疱によって生じた手湿疹を指すことが多いです。足の裏にも症状が現れた場合は「掌蹠膿胞症」という乾癬の可能性もありますので、鑑別が必要です。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

掌蹠膿胞症(しょうせきのうほうしょう)は手のひらや足裏に小さな水疱や膿疱が生じ、それを繰り返す疾患です。
異汗性湿疹との鑑別のポイントは、症状が現れるのが手だけでなく足にも現れる点です。原因が明確になっていない部分が多いですが、ストレスや喫煙、扁桃腺、銀歯による金属アレルギーなどが関係しているのではないかと考えられています。
なお、細菌やウイルスの感染が原因ではないことは判明しているので、感染リスクはありません。治療では、まずは悪化因子を特定して除去します。悪化因子が分からない場合は、炎症を抑制する対症療法が行われます。
紫外線療法を行うこともあります。

手白癬(てはくせん)

カビの仲間である白癬菌が皮膚に感染・増殖することが原因の皮膚疾患です。俗に言う「水虫」の1つです。
水虫は爪や足だけでなく、手のひらなどにも起こることがあります。しかし、手湿疹は足に感染した菌が手に移ることで発症に至ることが多いため、足白癬を治療することで手白癬の予防になります。
かゆみは軽いですが、多くのケースで皮膚全体が厚く硬くなります。また、フケや鱗屑(りんせつ:角質層がはがれた際に生じる垢)が確認されることがあります。
足白癬の治療では抗菌真剤を使った塗り薬が用いられますが、手白癬では飲み薬を使用します。

手荒れ(手湿疹・主婦湿疹)の治療方法

手荒れ(手湿疹・主婦湿疹)の治療方法かゆみや痛みが生じている場合は、ステロイド外用薬を用いて治療します。外用薬は軟膏タイプやクリームタイプがあり、症状に合ったものを処方します。
可能であれば水仕事は控えて頂きたいですが、難しい場合は手袋などを使用しましょう。ゴムの刺激に反応してしまう場合は、面の薄い手袋にゴム手袋をつけることをお勧めします。
また、金属でできたアクセサリー類を外すなど、原因になるものを取り除くことが重要です。

手荒れ(手湿疹・主婦湿疹)の予防方法

手荒れ(手湿疹・主婦湿疹)の予防方法手荒れを予防するには、水仕事では手袋を付けたり、洗剤を低刺激性のものに変えたりすることが有効です。また、手湿疹の原因の多くは、角質層のバリア機能の低下によるものなので、こまめに保湿することをお勧めします。特に、手洗いや水仕事の後は、保湿剤をしっかり塗りましょう。
市販のハンドクリームや保湿剤を使用する場合は、尿素やワセリンなどの保湿効果の高い成分が含んだものを選びましょう。ただし、傷ができている場合、尿層を含む保湿剤は使ってしまうとヒリヒリした刺激が生じることもあるため控えてください。また、軟膏タイプの方がクリームタイプより保湿効果が高く、低刺激なので皮膚が弱い方にはお勧めです。
手荒れを予防するためにも、上記の方法を是非実践してみてください。なかでも、日頃から仕事や家事で水に触れることが多い方は、症状が慢性化したり悪化したりする可能性が高いため、習慣的にケアを行いましょう。